23Mar
犬の循環器の病気
循環器とは心臓を中心に全身に血液やリンパ液を循環させる器官のことをさします。循環器に異常が生じると血液が正常に送られなくなり、体に十分な酸素や栄養が行かなくなってしまいます。
また、犬の心臓病は完治することが難しいと言われており、手術が出来なければ生涯にわたって治療が必要で、飼い主さんの負担も重くなります。
年齢によるリスクが高まる病気です。毎年の検査と万が一の備えをしておきましょう。特に循環器系は発病後の治療は困難で高額な場合が多く、経済的負担も大きくなります。
僧房弁閉鎖不全症
小型犬の老犬に多い僧房弁閉鎖不全症。マルチーズやポメラニアンなど体を小さくするために交配を重ねた犬種は、僧房弁が変形して弁としての機能が低下しやすいと言われています。
僧房弁とは左心房/左心室の間にあり、血液の逆流を防ぐ働きをしています。年齢とともに弁が閉まらなくなるなどの異常をきたすと血液が心臓内に逆流し、心臓の肥大につながります。
僧房弁閉鎖不全症の初期症状は、夜中から朝にかけてや、興奮して心臓に負担がかかった時に出ることが多く、進行すると呼吸困難や発作、肺気腫を引き起こすこともあります。
症状
・のどがつまったような乾いた咳が出る
・疲れやすくなる
・散歩や運動をいやがるようになる
・臥せ(ふせ)や横になるのを嫌う
心臓病や肺気腫になると呼吸が荒く辛そうなのに横にならなくなります。腹部が圧迫されて呼吸が出来なくなるのを嫌うためです。呼吸は激しく、動くことはできません。このような症状が出たら、すぐに病院に連れて行きましょう。
僧房弁閉鎖不全症は加齢による病気の為、完全治癒は望めませんが、薬で体の負担を軽減することができます。
また、心臓に負担がかかる運動を避け、塩分を控えるなど日常生活においても獣医師と相談しながら治療を進めていきます。
早期発見、早期治療で長生きしてもらえるように、心電図やX線診断を定期的に受けることをお勧めします。
心臓に寄生するフィラリア症
予防法が確立してはいるものの、現在でも屋外で暮らす犬の死因トップと言われるフィラリア症。
犬が蚊に刺される事でフィアラリア(寄生虫)が心臓や肺動脈に寄生する病気で、最終的には心不全を起こし、命を落とすことがあります。急性と慢性の2種類有りますが、どちらも毎年蚊が飛び始める前から予防薬を投与しておけば未然に防げるまず。
毎年かかりつけの動物病院で感染の有無を調べ、予防薬をもらうようにしましょう。
私も昔、外飼いをしていた時に、この病気の存在を知らず愛犬を無くす悲しい思いをしました。本当に辛く苦しそうな姿は、まだ子供だった私にも強く印象に残り、予防薬を知っていればと後悔した覚えが有ります。